イベント報告

携帯電話屋の目から見た
NAMM2001(100th. NAMM)所感

株式会社ツーカーセルラー東京
栗山 洋

Mobile MIDI WG の一員として、AMEIのツアーに参加する機会を得ました。もちろん、NAMMショウ視察は初めてですが、ちょっと違う業界から見た「世界最大の楽器トレードショウ」の所感を書かせていただきます。楽器に関しては素人のため、「今回のショウの目玉は‥‥」ということは書けないので、お許しください。

昨年新装オープンしたアナハイム・コンベンションセンターを訪れて、まず驚いたのはその規模です。感覚的には、東京ビッグサイトの東西全てを合わせた程度かと思われる (正確な広さは?) 会場に、ピアノからエレキギター、スタジオやPA機器など、幅広い分野の展示がされています。完全なトレードショウで、一般入場者は登録できないにもかかわらず、広い会場は日本の通信やコンピュータ関連の展示会並みの入場者で賑わっていました。音楽を支える幅広い出展に、音楽に対する米国マーケットの奥深さを実感しました。

メイン会場で恐らく最大のスペースを取っているのはローランド、ヤマハは隣接のマリオットホテルの宴会場を占有、その他にもコルグ、カワイ、パナソニックと日本メーカーのブースが目立ちます。

ギターに関する展示が多かったのも、印象的でした。音楽を「聴く」だけでなく、「自ら演奏する」ものとしてとらえると、その道具としてギターが身近で手軽であり、馴染み易いということでしょうか。生ギター、エレキギター、ギターアンプと多くのブースがかなりのスペースを取って展示やデモを行っており、来場者が試奏する姿も目立ちました。20数年前の学生時代に良く見かけたフェンダー社のアンプが、デジタル技術で「Cyber Twin」として再現され、デモの主役を務めていたのをとても懐かしい思いで聴きました。

今回のツアーの第一の目的であるMMA総会後のミーティングにて、AMEI Mobile MIDI WG より「Mobile MIDI ガイドライン」に関するプレゼンテーションを行いました。私はその中で、日本における着信メロディ市場の紹介を担当しました。短い期間に爆発的な拡大と進化(?)を遂げてしまった日本市場の状況や (その中でしたたかにビジネスを進める) 日本メーカーの活動に、MMAの皆さんは一応の理解は示しても、文化的、本能的な納得はなかなか難しそうに感じました。これは通信の世界でも同様ですが、「規格」、「標準」というものに対する考え方も微妙に違っているように思います。

当初の予定には入っていなかったのですが、2月に正式オープンした新テーマパーク「ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー」がマスコミや招待客対象のプレオープン中だったので、スケジュールの合間に覗いてきました。文字通り「カリフォルニア」をテーマにしたアトラクションで、3Dシアターから絶叫マシンまで、幅広く取り揃えられています。バグズライフをテーマにした3Dシアターで、登場するキャラクタのギャグに観客が大受けしていたのを見ると、「判官びいき」っていう感覚は米国人にも共通なんでしょうか。また、エンタテイメントの基盤として、観客の共通体験、共通文化(この場合は、カリフォルニアの歴史、文化やディズニーの物語)が大切であるということを再認識しました。

この場をお借りして、事務局の神川さん、WGリーダーの飛河さんを始め、今回のツアーでお世話になった皆様に感謝の言葉を述べたいと思います。貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました。

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