MIDI規格委員会


(更新日:1998年10月20日)

1. 平成9年度 事業報告

       1.MIDI規格の立案、標準化
        ・GML-2規格案をまとめ、幹事会にて承認、MMAへ再度提案、MMAの最終検討に入っている。
      (GML-2に関する7件のRPをMMAに提案、3件が受理された)
        ・歌詞付きSMFの規格化、AMEI内可決
         MMA総会に提案、MMAより新たな提案あり、AMEI内の再調整実施
       ・DLSのMMAよりの提案(マイクロソフト社のOSに搭載予定)の検討承認
       ・DLS2のWGを設立
     2.次世代対応としてのIEEE1394、USBに関する研究及び実用化のための実験作業をすすめ、MMA総会に
         て接続プレゼンテーションを実施した。
     3.MMAとの連携強化
       ・NAMM視察団の実施
        ・MMAとの年間業務計画のスケジュールを作成、合同のテクニカルボード・WGの実施を決めた。

2. 平成10年度 事業計画

     1.MIDIソフト規格のまとめ、新規格の立案、規格の普及啓蒙
        ・GML-2規格を平成10年度初めに正式規格化・仕様書の作成及びその普及・啓蒙
        ・歌詞付きSMFの規格を平成10年度初めに正式規格化・仕様書の作成及びその普及・啓蒙
        ・DLS-1のレベルアップ・改善を含めたDLS-2規格の検討・作成及びその普及・啓蒙
      2.次世代対応としてのIEEE1394、USB、MPEG-4規格等に関する研究の強化と具体的規格化の推進
      3.規格の普及啓蒙活動
        ・新規規格(GML-2、歌詞付きSMF、DLS等)の普及・啓蒙規格書の出版、講習会、セミナー等の展開
        ・日本語版MIDI規格書の発行と頒布
       4.MMAとの連携・協力の強化
        ・MMAとの新対応コミニュケーションの実施
        ・NAMM視察団派遣、MMAとのプリミーティング、MMA総会に参加

3. 平成10年度 海外視察団報告

MIDI規格委員会主催による、第2回海外視察団に、18名の方々が参加された。
今回の海外視察目的では、米国NAMM Winter Marketの視察、MIDI規格の協議制定を行ってきたMMA(MIDI Manufacturers Association)総会への参加、AMEI/MMAから提案された各種プロポーザルの検討及び次世代のMIDIに関するmeetingが行われ、MIDIの活用が新たに認識される中、活発な意見交換が行われるなど、有意義なものとなった。

1. NAMM Winter Marketについて

例年開催されていたアナハイム・コンベンションセンターが改装工事のため、今年はロサンゼルスに会場を移し1月28日より2月1日まで、ロサンゼルス・コンベンションセンター(会場面積約44,000u)で「1998 NAMM International Music Market」が盛大に開催された。開催期間中は、天候にも恵まれ、NAMM当局の発表では、前年出展社よりも87社増の1,193社、また入場者数も4,500人ほど増え、63,160人を記録した。

2. MMAとのMeetingについて

● Technical Meeting

1月29日(木)12時から、ダウンタウンにあるオムニホテルにてTechnical-meetingが開催された。
出席者はMMAから Tom White (President & CEO), James Grunke (On Live Technologies), Athan Billias (IVL Multimedia Ltd.), David G. Oren (DACO Development), Robert Lee (Gulbransen Inc.), Rick Choen (Young Chang R&D), Bennett Sikes (Mark of the Unicorn), Keiko Ikeda(IVL Multimedia Ltd.)の8氏。
AMEIから亀山征二・高氏清已(株式会社河合楽器製作所)、飛河和生・高橋賢一(日本ビクター株式会社)、福田 誠(カシオ計算機株式会社)、藤森潤一(ヤマハ株式会社)、山端利郎・青木英児(ローランド株式会社)、中田 健・神川信郎((社)音楽電子事業協会事務局)の10氏。
オブザーバーに Rex Weyler・Bill Gannon (Justonic), Werner Mohriok (Hermode Tuning System), Jean F Bohemier (Tune1000)の4氏。合計22名であった。
まずMMA Tom White会長及び亀山MIDI規格委員会委員長より挨拶、出席者自己紹介のあと、MMA側のプロポーザルやC/A (Confirmation Approval), RP (Recommended Practice) に関する彼らの考え方が示され話合いが始まった。

1. SMF Language Extension
AMEIから既に提案された内容にTune1000より新たなメタイベントの追加要求があり、WGメンバーの飛河氏とTune1000 Jean F Bohemier 氏が席を移し話し合ったが、結論はでなかった。MMAはAMEIの提案で進めたいとしており、今後TitileやComposerなどの検索方法の解決、Lyric Meta EventをLyric/Display Meta Eventと名前を変え、AMEIのフォーマットを盛り込んでゆくことが最良と考えられる。

2. GMシステムレベル2及びAMEI Proposals
MMAでは、今回のAMEI ProposalsについてGML2に組込むことを前提として作成されているが、GM2だけでなく、将来の柔軟性も考え、これらの提案に少し修正を加え、MMAメンバーに配信、メールによる書面審議を行いAMEIの希望している早期ボーティングを行うことを確認した。また、将来を考慮しMIDIをアプリケーションとプロトコルの2つの部分に分けたいとの、説明があった。

3. AMEI/MMA コミュニケーションについて
相互コミュニケーションの改善対策について話合った。
年間の検討項目と優先順位をつけたスケジュールを作成し相互確認し合うこととし、AMEI/MMA合同のテクニカルボードやワーキンググループの可能性について話合った。今後もこのような会議を年2回程開催したいので、NAMM以外にも日本で開催されるMIDI World開催時にも来日されることを提案した。

● Formal Meeting

1月31日(土)15時から、オムニホテルにてFormal Meetingが開催され、これからのMIDIに関して話合われた。
出席者はMMAから Tom White (President & CEO), James Grunke (On Live Technologies), Athan Billias (IVL Multimedia Ltd.), David G. Oren (DACO Development), Robert Lee (Gulbransen Inc.), Rick Choen (Young Chang R&D), Bennett Sikes (Mark of the Unicorn), Keiko Ikeda(IVL Multimedia Ltd.)の8氏。
AMEIから亀山征二・高氏清已(株式会社河合楽器製作所)、飛河和生・高橋賢一(日本ビクター株式会社)、福田 誠(カシオ計算機株式会社)、二間瀬剛・藤森潤一(ヤマハ株式会社)、ヨシ・沢田(ヤマハUSA)、山端利郎・青木英児・伊志嶺馨(ローランド株式会社)、中田 健・神川信郎((社)音楽電子事業協会事務局)の13氏

1. MPEG4
MMAよりMPEG4に関する活動の報告があり、E-mu のSound Fontが採用された事に対する不満と今後DLSをMPEG4に組込むことを提案することが話された。

2. DLS2
MMAでは今後、DLS2をプロ用策定(DLS1はマイクロソフトを中心にコンピュータ向けとして策定された)としていくとの説明があり、AMEIでもその活動にはワーキンググループを設けて積極的に係わっていくことを伝え、相互の合同ワーキンググループの可能性についても話し合った。

3. 電子音楽標準化委員会( JIS化委員会 )
現状及び今後の予定について説明を行った。原案作成がほぼ終了しAMEIホームページ掲載の上、第三者による原案チェックを開始する段階である。これからは、その結果をまとめて3月末に報告書を作成し、日本工業調査会に提出する。同調査会にて審査の後、JIS規格として制定の運びとなる。

4. IEEE1394& USB
現状はMIDI 1.0のプロトコルを使うことを説明し、このため今後MIDI 1.0をプロトコルとアプリケーションに分けて運用するための検討の必要性が相互確認された。このため合同ワーキンググループも確認されたが、運用の詳細については今後検討を要する。

3. MMAの総会について

2月1日(日)7時30分のBreakfastから、オムニホテルにてMMA総会が開催された。出席者はMMAメンバー約60名とAMEIからのオブザーバー出席者であった。総会は、オープン セッション、クローズド セッション、スペシャルセッションの3つに分かれ、夜8時近くまで開催された。

●会員以外の参加も可能なオープン セッションが8時30分より開催され、まずTom White会長他によるMMAの活動報告とAMEIからの提案も含めた動きが説明された。またTech. Boardの運用について活発な意見交換があった。

●会員のみ参加可能なクローズドセッションが開催され次の5件についてのボーティングがあった。
  ・Iteam #91 SMF Device Name and Program Name Meta Event
     1社から反対意見が出された。
  ・Iteam #119 Response to Reset All Controllers
     GML2やDLSとの関係の説明を確認したうえで、承認された。
  ・Iteam #135 Output Cable System Common Message (F5)
     AMEIとの検討経緯を説明し、1394やUSBを説明したうえボーティングには至らなかった。
  ・ Iteam #137 Sample Dump Standard Enhancements
     全員が承認した。
  ・Item #144 File Reference SysEx Message
     2社より反対があった。

● 誰でも参加可能なスペシャルセッションが14時から開催され、約80名の参加者のもと、AMEIからの1394/USBプレゼンテーションを開催した。まず、池内応用部会長の挨拶で始まり、マイク・ケント氏(ローランドUSA)によるUSBと1394のロードマップ説明、続いてローランド青木氏によるUSBのデモ、ヤマハ藤森氏による1394におけるオーディオ・ミュージックプロトコルの位置づけの説明とデモがあり、1時間半のプレゼンテーションが終了した。







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