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「安全規格部会」 末次賢一 部会長インタビュー

(1)部会の概要とその意味

安全規格」という言葉から皆さんは何を連想しますか。
何の安全性を言っているのでしょうか。
もともとの語源はSafety Standardといって、今から約120年程前、電燈や電話が急速に拡大しはじめたアメリカで使われ始めた言葉のようです。
当時は、現在のような良質の絶縁物が少なく、又、加工技術も未熟でした。電気という素晴らしい物を手にした反面、結構感電や火災事故も多かったと聞いています。このようなわけで、人命や財産を守る為の何らかの基準を作らねばならなかったのです。
これがSafety Standard、つまり安全規格の始まりです。このようなわけで安全規格は結構永い歴史があり、科学技術の発展や経済と密接にかかわりを持ちながら変貌してきました。現在では各国が様々の製品に対して、人命や財産を守る為の基準、すなわち安全規格を定めて国民の安全を守っています。
ここまでお話すれば、「安全規格部会」がどんなものか想像がつくはずです。
私たちは電子楽器に関する世界中の安全規格を
A.把握し 
B.会員へ提供し 
C会員が安全な製品を供給できる様にバックアップしています。
安全規格の具体的な要求事項としては「部品の絶縁距離」「材料の絶縁性能」「部品の電気容量」「各部の温度上昇」「故障時の発火防止」「警告表示」「外郭の強度」などがあります。
すべての製品は安全であることが大前提です。当たり前の様ですが、結構難しいものです。

(2)部会長としての抱負

部会長をお引き受けしてもう7年が過ぎてしまいました。本業が安全規格とEMC(注)という事で、とにかく7年間頑張ってお手伝いしてきました。
この種の世界では、まずボランタリ―精神が大切です。商売ではすべて競争という事ですが、安全に関する知識やノウハウは積極的に会員間横展開を図り、また官庁との対応も業界として取り組んで行く事が、最終的には各社の事業リスク低減ともなり、メリットも増大すると考えています。
ただ、他の業界と比較しますと、スケール的にはかなり小さいので、他業界と同じような活動は無理ですが、内容を絞り込み小粒ですが質の高い活動を目指したいと考えています。
(注) EMC (Electro-Magnetic Comptibility)

(3)安全規格部会の今後の展望、期待すること

現在、安全規格を取り巻く環境は大変動期にさしかかっています。グローバルな視点で言えば、先進国の規制緩和、国家認証の廃止、中進国の新たな規制開始と通関規制、EMC規制の世界的拡大、自己責任の増大、アメリカ,ヨーロッパの規格大改正、電気用品取締法から電気用品安全法への大改正、など様々な課題に直面しています。
これらの課題に適切に対応していく為には日ごろの会員自身の情報活動が最も大切です。
そして、情報を共有化する事で全体のレベルを向上させて行く事ができるでしょう。
法を尊守して安全な製品をお客様に届け、そして事故もなく使って頂けることが私たちの究極のゴールなのです。
ところで皆さん、世界中にどんな安全の認証マークがあるかご存知ですか?
実例を次に示してみます。すべてわかればあなたはかなりのプロです。


米国/UL Mark カナダ/CSA Mark 米国/UL Recognized Component Mark 台湾/BSMIロゴ ヨーロッパ/CE marking
韓国/EK-Mark 日本/Sマーク ロシア/Gost Mark ノルウェー/N-Mark 米国/FCCロゴ
ポーランド/safty Mark 'B' 中国/CCIBマーク 日本/PSマーク 英国/Kitemark スウェーデン/S-marking
オーストラリア/C-Tick Mark アルゼンチン/'S' Mark ドイツ/GS-Mark 日本/VCCIロゴ 台湾/験証標誌(Certification Mark
シンガポール/SAFFTY Mark